多米ウォーキングマップ
春日神社
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由緒
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山ノ神
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「とよはしの巨木・名木」100選 3.春日神社のイヌマキ
全国春日連合ホームページ「多米 春日神社」
由緒
(豊橋百科事典より抜粋)
春日神社は、
崇峻天皇(6 世紀) の時代、滝の谷に徳合長者が天児屋根命(あめのこやねのみこと)を勧請して一社を創建
したものと伝える。
永正(1504~21)のころ、この地は藤原氏の所領となり、春日明神を主神として7社を合祀し、八社大明神とした
。すなわち、春日・鹿島・祇園・波利・大社・稲荷・雷公・白鳥の八宮一社であった。しかし、正徳6(1716)年以降は、ただ春日大明神と称えた。徳川氏から春日社・八幡社・白山社に社領として朱印各一石あて寄せられた。
「三州吉田領神社仏閣記」(元禄6年)に、多米村「春日明神、神主尾崎茂兵衛」「白山権現、祢宜加藤太次兵衛」、「八幡宮、祢宜尾崎茂兵衛、御朱印右三社三石目」とある。
「三河国二葉松」(元文5年)に、「多米村春日大明神、社領三石、神主尾崎六郎左衛門」とある。昭和58(1983)年、春日社を春日神社に改めた。
(多米郷土誌より抜粋)
八名郡誌には
「永正、大永、永禄の頃藤原氏此の地を領したと見え当社所蔵の古棟札の年月不明のものに『奉葺八所社一宇大檀那藤原真光(其の他不明)』とあり永正二年二月二十八日の棟札には『ご領主◆光大檀那藤原家次藤原吉次』とあり、大永五年乙酉十二月晦日の棟札には『御領主忠光大檀那藤原秀次藤原正光』とあり、永禄四年辛酉二月の棟札には『領主長忠大檀那藤原泰久藤原光次』とあり
三河古城記の多米村の部に「多米新左衛門時信住、永正年中には藤原吉次住」とある
。是等による時は永正前後から永禄年中まで藤原家の多米を領有したことに相違あるまいが其の藤原氏に関する記録は右以外には少しもないから主従父子の関係すら明らかではない。(中略)盛衰興亡の頻発した当地のことゆえ、其の時々の有力者が自己信仰の神を祭って産土神とし、従来の氏神をすてゝ顧みぬは普通のことである。当社の主神春日明神より推測をめぐらす時は春日以外の七小社を併合して自己の祖神(春日明神)を主神として(中略)村の統一を図ったものと思われる。」と書かれている。
多米は和名抄に載る多木郷であって古くから開かれた村であることは数多くの古墳によってもわかる
。古い村の常で数多い氏神が有ったことは、上古の時代からの習俗で、他の地に移りときは必ずその土地に祖神を祀ることを例としていたし、また、村に旧社地の存在するのを見てもわかる。
春日社以外七社を合祀したと書いている八名郡誌もうなづける。以下八名郡誌は、
「当時白山と八幡の二社は微力ながらも屈従を屑とせず独立を維持したものらしい。(中略)藤原家も諸社の名をつぶし春日とすることだけは遠慮して八社大明神と呼んだらしい。八社以前の棟札を無にした(他にも例がある)のは藤原家の所為らしい。八社のうちで大社明神は古く盛んなものであったらしく三河国内神明帳に出ている従五位上大社天神は此の大社明神であろうと云われている。」と続けている。
当社は古来武将、豪族、庶民等の尊信篤く徳川家光は慶安二年八月十七日朱印状を以って社領一石をあたえ、代々それは続けられてきた。
正徳六年以降には春日大明神と称え以前として八神を奉祀して来たが明治初年神社制度改正に当り手続きを誤り、天児屋根命一柱を祭神とし他の七神を明細帳より脱洩、春日社となった
。社格制度に際し村社に列せられ更に明治四十年十月二十六日、幣帛供進の指定を受ける。大正十五年八月十五日赤岩山に鎮座の稲荷神社を合併し祀る。
山ノ神
(多米郷土誌より抜粋)
当町には山林が多く、山仕事は一つの大きな生活源でもあったので祖先が山ノ神を祀ったのである。字五反田の町有地に社がある。又、その他の地には大きな木、石等に祀られていて毎年旧暦正月二十日が祭礼である。
創立は不明である。
「とよはしの巨木・名木」100選 3.春日神社のイヌマキ (天然記念物)
(
豊橋市ホームページ
より抜粋)
「春日社のマキ」(豊橋市指定天然記念物)かすがしゃのまき「春日社のマキ」3本(多米春日社)は、昭和42(1967)年2月17日、豊橋市天然記念物に指定された。なお、昭和58(1983)年、春日社は春日神社と改められた。マキは、マキ科の常緑高木である。マキはイヌマキで、ホソバ(細葉)とも呼ぶ。葉は細長く、平行脈を示す。雌雄異株で、雌株には球形の種子ができ、それに付着して赤色の肉質のものができ、食べられる。豊橋では、タカシコゾウともいわれる。成長は早くはないが、大きく育つ。「春日社のマキ」は、豊橋では最も大きなもので、雌株3本が豊橋市の天然記念物に指定されている。樹齢はいずれも300年といわれ、幹周り・高さは300㎝・15.5m、215㎝・15.5m、170㎝・22.5mである。
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多米校区自治会ホームページ
※引用している文献は下記の通りです。
豊橋百科事典…発行:豊橋市文化市民部文化課 平成18年12月1日発行
校区のあゆみ「多米」…発行:豊橋市総代会 平成18年12月25日発行
多米郷土誌…発行:多米郷土誌編纂委員会 昭和42年11月1日発行
わたしたちの多米…発行:豊橋市立多米小学校 昭和61年3月15日発行
多米徳合長者考(豊橋美術博物館研究紀要16号 東郷公司)…発行:豊橋市美術博物館 平成21年3月発行
岩崎ものがたり…発行:夏目修二 令和3年12月1日発行